<南風>センスを磨く


社会
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 久しぶりに親しい友人たちがわが家に集まることになった。腕によりをかけて美味(おい)しいお料理を作り、テーブルをコーディネートして素敵(すてき)におもてなしをしたいと思う。

 さて何から始めようか。まずはイメージしながらプランを立てる。テーマは「初夏のタイを旅するように」。美味しい場面が頭の中に広がり、大好きな地、バンコクでの食卓の記憶が蘇(よみがえ)る。タイ料理が次から次へと浮かんできて、スパイスやパクチーの香りをふいっと鼻の奥に感じる感覚がたまらない。メニューはスパイシーなアジアン料理にしよう。

 料理に合わせて、テーブルもアジアンチックにコーディネート。綿麻素材のテーブルクロスをかけ、ラタン編みのランチョンマットを敷いて、器はカラフルなタイの陶磁器ベンジャロン焼を使おう。センターピースにはデンファレのお花を飾って。

 テーブルに集う友人たちの楽しい会話や笑顔を想像しながらプランを立てるそのプロセスも、感性とセンスをフルに活(い)かしながら大いに楽しみたいものだ。

 さて、感性とは? 美しいものを美しいと感じることができる感覚。そしてセンスとは? 良いものを表現できる能力だと考える。感性もセンスも磨くことでより高めていくことができるのではないかと思う。

 旅をしたり、芸術を鑑賞したり、本を読んだり、美味しい料理を食べたり、とにかく良いものを見て聞いて感じて審美眼を養い、引き出しをたくさんつくってセンスアップすることをお勧めしたい。自分の好みを見つけたらまずは真似てみよう。そうしているうちに自分のオリジナルが生まれてくるだろう。

 「お久しぶり~! 元気だった?」と友人たちがわが家へ集まって来た。さあ! タイを旅するように食卓を囲んで、楽しいパーティーの始まり始まり。
(大木綾子、食空間コーディネーター)