<南風>中国語で世界と交流


社会
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 中国語を習い始めて3年になります。音楽交流で台湾と沖縄を行き来しながら、言語の違いから思いをうまく伝えられないことにはがゆさを感じ、中国語を学んでもっと親睦を深めたいと思ったことがきっかけでした。中国語の響きは心地よく、長い歴史の中で磨かれてきた言葉の美しさと力に魅せられ歴史文化に興味を持つようになりました。

 私が通う中国語教室の生徒はほとんどの人が年上で最年長は88歳。人生の先輩方の学ぶ意欲と姿勢に心を打たれます。なにかに挑戦することに年齢は関係ない。励ましてくださる先生や向上心を持った仲間から良い刺激を受け、共に学ぶことでモチベーションを維持し続けています。

 昨年は広州、香港、台湾、シンガポールで歌わせていただきました。中国語は世界的な言語の一つで多くの人に使われています。中華圏では中国語で歌うと反応が良く一生懸命伝えようとする気持ちをくみ取ってくれます。目標は中国語で仕事をできるようになって音楽活動の幅を広げていくこと、中国語を母国語とする友人と同じタイミングで笑えるようになることです。

 世界から注目される沖縄の文化は中国の影響を大きく受けています。三線の原型三弦は中国から伝わり、琉球で独自の発展を遂げました。中国から渡ってきた久米三十六姓とその子孫も琉球時代からさまざまな分野で沖縄に貢献してきました。ウチナーグチには中国語由来の言葉もあります。

 私の好きな中国語のことわざは「活到老、学到老」という言葉で、生きている限り学び続けるという意味です。宮古島の言葉で「スンキャーギミマイ、スンムギャーナライカ」といいます。学びに終わりはなく、積み重ねでどこまでも上を目指すことができます。生涯学び続け、世界に向けて自分なりの万国津梁の鐘を鳴らしていきます。
(HIRARA(ひらら)、宮古島出身歌手)