<南風>県芸出身者の展示に向けて


社会
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 梅雨の中休み5月26日は恩納村にある穴窯の手伝いへ。暑さが心配だったが、湿気もなく過ごしやすい一日だった。そこは県立芸大の登り窯を設計、施工した方の窯だ。登り窯施工の手伝いのときにもそうだったが、作業前の準備が何一つ無駄がなく万全なのである。薪(まき)の準備一つとってもぬかりなく、窯を焚(た)く状況を読んで最適な薪の状態を作り出す。とても勉強になる。一緒に仕事させていただける喜びを改めて感じる一日であった。

 さて前回から引き続き、今回も県立芸大出身者による展示会についての話をしたいと思う。私自身ここでの連載は周囲からの反響も大きく、この場を借りて知ってもらうことで、多くの人に足を運んでいただけたらいいと思っている。

 日頃、美術・陶芸とは離れている人がほとんどだろうが、ぜひそんな方々にも作品を見てもらいたい。あれこれ見て作品の違いを楽しんでもらいたい。違う分野の人から見る作品はどんな風に目に心にうつるのだろう。自分の作品が他の作品に囲まれ、たたずむところも見てみたい。

 開催中は私も在廊し、一来場者として作品を見ながら、見に来た方の反応も感じ取りたいと思っている。私自身展示会の手伝いはしたことはあるが、企画する側は初めてで手探りなことばかりである。

 先日、芸大の教授はじめ講師、助手と話し合いをもった。卒業生は県内だけでも相当数いること、その作品を収容するキャパのある展示場所、搬入、展示方法についてだ。場所はいくつか候補を挙げているがまだ検討中、時期は来年には開催できればと考えている。

 実際に身近にいる卒業生に声をかけたところ、「良い機会だからぜひ」といい反応が返ってきている。作品と人、人と人の新たな出会いの場になるようまだまだ奔走していきたい。
(山本憲卓、陶芸家)