<南風>トレーニングは仕事


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 プロスポーツ選手は怪我(けが)や故障はしたくないものです。現役生活を長くするためでもありますが、競輪選手の場合は収入にも直(じか)に影響するからです。競輪選手は走ってなんぼってよく言われます。野球選手やサッカー選手は年俸制でその年の契約で給与をもらえると思いますが、競輪選手はレースを走ってゴールしなければ賞金という給与をもらえません。

 競輪界では「トレーニングは仕事、レースは集金」といういい伝えがあります。分かりやすい言葉です。なかには肋骨骨折したまま走る強者(つわもの)もいます。

 競輪選手は個人事業主なので練習するもしないもすべて自分で決めます。稼ぐためにはしっかり仕事(トレーニング)をし、レースで結果を残さないと集金はできません。

 私は怪我で4か月レースを走れなかったことがありました。その時は不安や焦りもありましたが、先輩選手のアドバイスで怪我したときはしっかり治すことに集中しなさい。そして治ったら思いっきりトレーニングをして今より強くなって復帰してこいと言われたので、冷静に自分の怪我と向き合い復帰に向けて計画を立てることができました。

 怪我明けからのトレーニングはとてもキツイので「トレーニングは仕事」と自分に言い聞かせながら日々乗りきっていました。

 私の連載は今回で最終回となります。私が競輪選手になってデビューしたのは31歳のときです。競輪学校(現競輪選手養成所)は30歳で入りました。スロースタートのプロ生活10年目、現状に満足せずまだまだ頑張っていきます。

 私が新聞で連載するとは想像もしていませんでしたが、沖縄に競輪選手を仕事としてる人がいることを知ってもらえたらいいと思い「南風」を書いてきました。半年間ありがとうございました。
(仲松勝太、プロ競輪選手)