<南風>パークラン


社会
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 イギリスで始まったパークランは、毎週土曜日の朝9時に5キロを走る会だ。ボランティアで運営される完全無料の活動で、あちこちの公園で開催されている。今では、ヨーロッパ各国、南アフリカ、アメリカにも広がり、ついに日本でも始まった。まだ3カ所だけのようだが、いつか沖縄でも始まってほしいと思う。

 パークランは、レースではないので自分のペースで走ることができる。しかも、予約もいらず、ただ集合場所に時間通りに集まるだけ。先週より少しだけ早く走れるとうれしい。子供たちの走るジュニアパークランもある。プリントしたバーコードを使い記録を残すので、自分の成長がよく分かる。

 乳母車を押して走る人や、子供と一緒に走る人、犬と一緒に走る人、友人と歩調を合わせて歩く年配の女性など、それぞれ思い思いに楽しんでいる。毎週顔を合わせるおなじみさんと、世間話に花が咲く。

 近所の公園のパークランは、この数年で参加者が増え、毎回300人を超える。遠くから参加している人は自己申告するのだが、英国内に混じってオーストラリアだの、南アフリカだの、世界中から参加者がいて、国際都市ロンドンだなと思う。私たちも、旅行に行く先でパークランを探して出向いている。地元の人と一緒に走り、会話をするのも旅の楽しみだからだ。

 私とパートナーは、6月に南アフリカで、100回目のパークランを走った。名前を読み上げてもらい、皆におめでとうと言われるのは、うれしいものだ。

 沖縄でパークランが始まったら、ロンドン以上に国際色豊かになりそうな気がする。海岸沿いを走るコースだと、きっときれいだろうし、いろいろな人たちとユンタクする機会もできてきっと楽しいに違いない。いつか帰省の際に沖縄でパークランしてみたいなあ。
(渡名喜美和、英国沖縄県人会会長)