<南風>私と世界平和


社会
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 昔から「世界平和」という言葉がとても好きで、漠然と想いを馳(は)せて過ごしてきました。

 普段の生活でも「楽しいこと」は笑顔をつくるし、「美しいもの」は心を満たしてくれる。心が豊かになると他への理解も深まり、「うれしい」ことが増え、身近な争い事は減り、平和へと近づくのではないでしょうか。だから一生懸命楽しんだり、美しいものを愛でたりする。それらをシェアすることは、世界平和には重要なことだろうと考えて、その価値観でこれまでの職業選びもしてきました。

 「世界平和」の話をすると「何言っちゃってんの?」と思われることも多かったのですが、私は「好きなこと」なので全く気にせず漠然とでも話題に出すことが大事だと思ってきました。

 そんな私が、「サンゴに優しい日焼け止め」の活動を始めてから得た大事な気づきがあります。

 環境問題に関わる中で、素晴らしいアイディアがあってもすぐに解決することではないため、いろんなアプローチが必要だということ。それには、多様な文化背景から生まれてくるアイディアと多くの人々のアクションが必要だということ。そして、世界中の人々が一緒に「私たちの住む地球を守りたい」というゴールに向かって、活動プログレスを共有し、学び合い、進んでいかなければならないということ。

 それは、国境、文化、人種、ジェンダーをいとも簡単に超えて、人が繋(つな)がることができる世界平和を創造する素晴らしいアプローチだと理解したんです。私は、この気づきが新しいモチベーションとなり、より楽しく環境活動を続けていけるようになりました。

 沖縄戦が公式に終結し、やっと県民が戦争から解放された9月7日は私の誕生日です。頂いた命に感謝して、この時代に生まれた自由を謳歌(おうか)します。
(呉屋由希乃、社会起業家)