<南風>うるま市のキャリア教育(2)


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 私が、キャリア教育事業に携わったのは11年前である。2008年当時、沖縄県の高い失業率を改善するため、早い段階で職業観を育むことが解決につながるのではないかと沖縄県主導で、キャリア教育事業(ジョブシャドウイング)の取り組みが始まった。

 初年度の課題は、さまざまな機関、多くの人々の協力が必要ということだった。将来的な枠組として、行政、学校、企業が一体となって取り組むこと、地域の子供たちを地域の人々と共に育むことが重要であること、担い手であるコーディネーターの育成が大切になってくるとした。

 ジョブリッジ研究所は、14年からうるま市のキャリア教育事業に携わっている。うるま市内の小学校18校、中学校10校、高校7校の児童・生徒のみなさんを対象に、多様なプログラムを企画・運営している。小学校では、ジョブシャドウイング(働く大人を観察する)や、協力企業の制服を着て「リアルお仕事体験チャレンジJOB事業」などを5年間実施してきた。今年度は、教育改革を見据え、子供たちの自主性を重んじ、自ら考え発言する、大人と意見交換することなどアクティブラーニングを取り入れたワーカーズトークという新規事業を実施している。

 その担い手が、うるま市キャリア支援コーディネーターである。その役割は、企業、行政、地域の教育資源を学校につなぎ、児童・生徒に働くことについて気づきの場を提供することでキャリア教育の支援を行っている。細やかな調整を行う縁の下の力持ちである。

 子どもたちの生き生きとした表情を心の糧に、黒子に撤し、真摯(しんし)に、情熱をもって取り組んでいるうるま市キャリア支援コーディネーターの皆さんを誇りに思う。協力していただいている全てのみなさまに日々感謝!
(赤嶺久美、ジョブリッジ研究所代表理事)