<南風>イギリス流BBQ


社会
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 気温が28度を超えた6月の週末、駅へ向かうと、公園の方が煙っているのが見えた。もしかして火事かなと思ったら、BBQ(バーベキュー)の煙だった。夏が短いイギリスでは、暑くなったらBBQである。沖縄ではBBQといえばビーチだが、イギリスでは自宅の庭か公園だ。ロンドンではBBQの許可されている公園は限られている。よく晴れた週末には、皆競い合うようにBBQをする。

 我が家も毎年BBQをしている。ハンバーガー、ソーセージなどは万国共通だが、中にはラムチョップや、ポルトガル産黒豚肉をガーリックスパイスで漬け込んだお肉を持参してくれる友人もいる。ベジタリアン用にはビーンバーガーや、パプリカなど野菜類も、肉汁が付かないようグリル用シートを重ねて焼く。デザートに新鮮なイチゴを籠ごと持参する友人もいた。ビールやワインもあるけれど、イギリスの夏の飲み物といえばピムズ。アルコールにミント、イチゴ、リンゴ、キュウリなどを入れてソーダで割る飲み物で、これがBBQには欠かせない。

 参加してくれた友人たちも、ロンドンらしく多国籍。イギリス、フランス、ポルトガル、ドイツ、日本と、まるでミニ国連会議状態。私の友人は、三線を演奏をしたり、フラダンスのパフォーマンスもしてくれた。

 8月最後の週末は、ロンドン郊外のバトルという町に住む友人宅のBBQにお呼ばれした。彼らをうちのBBQにも招待したけど、3週末連続で友人たちを招いてBBQをしているそうで、参加できなかった。

 夫婦ともワイン好きで、ヨーロッパの国々のワインを飲み歩いた話をしてくれる。ワインに合うように持参したチーズを皆で堪能しながら、庭で夜10時ごろまでおしゃべりをした。ふと見上げるとロンドンでは見ることのできない天の川が輝いていた。
(渡名喜美和、英国沖縄県人会会長)