<南風>Good&New


社会
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 研修会の講師をお願いされたとき、最初にやるワークが奇想天外自己紹介「Good&New」だ。3~6人のグループに分かれ、次の順で自己紹介をする。

 (1)氏名、(2)キャッチフレーズ、(3)実は○○なのに○〇。ギャップがあればあるほど面白い。そして、(4)グッドアンドニュー。どんなにつらいことがあっても、それを「うれしい」、「楽しい」、「新しい」の言葉に変えて発表するのだ。終わったら、(5)全員で大きく強く拍手しながら「ウォー!」と叫ぶ。これで場の雰囲気が一気に変わる。

 たとえばこんな調子だ。

「笑顔さわやか大統領、稲嶺有晃です。さわやかな笑顔が素敵なユーコーさんと言われていますが、実は大変な忘れん坊です。自転車に乗って貸本屋に行き、漫画を借り、読みながら帰ってきたことがあります。自転車がないと大騒ぎでした。昨日も昼の弁当代を払おうとしたら、財布が見当たりません。鞄にも背広にもないのです。総務のTさんが明日でもいいですよと笑顔で答えてくれて助かりました。ありがとう。帰るとき、車の助手席を見ると財布が! 以上、稲嶺有晃のグッドアンドニューでした」。ウォー、大拍手!

 これは、教育学者ピーター・クライン氏により考案された、組織やチームを活性化するためのスキルだ。アメリカの荒れたハイスクールのあるクラスがこの手法で朝礼を行い、わずか1年で劇的に再生。学校全体が変わり、全米に伝わり、ビジネス界でも使われるようになった。朝礼時に行う企業も多いと聞く。この手法に少しアレンジを加え、自己紹介バージョンにしたのが前述の方法だ。

 厳しい現実の中でともすればネガティブになりがちな感情が湧いてくる。それをプラスの表現に変えることにより、豊かな心で「楽しみ」ながら、日々を送ることができる。お試しあれ。

(稲嶺有晃、サン・エージェンシー取締役会長)