<南風>起業とマインドセット


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 最近私が興味を持っているのは「未来が過去をつくる」というセオリーです。

 私たちは、過去をベースで話しているのが当たり前となっていますが、「結果良ければ全て良し」という言葉にもあるとおり、結果によって過去の解釈が変わって行きます。「今日は予定通りにいかなかったけど、より良い日になった」など、思い当たる人も多いのではと思います。どんな過去も「良い未来」をつくるために必要な出来事で、「未来は最高だから、過去も今も最高」という原則のもと、過去にとらわれず未来の自分をつくることが可能だそうです。

 今まで、起業に興味があるという方からの質問には

「どこで仕入れをするの? 登記はどうやるの? どこで勉強したの?」などこちらが驚くような質問が出てきます。なぜなら、この質問はビジョンがなく、足元だけを見ていて、答えたとしても、起業には何の役にも立たないと思います。

 私が「サンゴに優しい日焼け止め」を作ると決めたとき、当時はまだブティックも経営していたので周囲は「なぜ服屋が急に?」と不思議がられましたが、その時は既に2年以上化粧品に関わっていて、サンゴと日焼け止めの関係も1年以上リサーチしていたので、私は周囲の反応に動揺しました。人は自分の持つ目の前の「私」の過去情報で「私」を判断しますが、「未来が過去をつくる」というセオリーでは、周囲が見ている「私」は過去であり、振り回されてはいけません。

 新しいことを始める時に、周りの声が気になるのは当然ですが、ビジョンがあれば、スタートラインに立つことができます。継続するかどうかは、やってみないとわかりませんよね。

 私の頭の中は自由で創造的。常にアップデートし、自然に理想の自分に近づいていくことに常にチャレンジしています。
(呉屋由希乃、社会起業家)