<南風>稼ぐ力を育む


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 稼ぐ力とは、付加価値を生み出し人や社会の役に立つこと、人に必要とされることが自己肯定感につながり生きる力の源になると考えます。

 稼ぐ力を育む事例として、沖縄産業開発青年協会の取り組みをご紹介したいと思います。

 沖縄産業開発青年協会は、少年の健全育成を図り、社会に貢献できる有能な人材を育成することを目的として設立された特殊機関です。創立60年余、卒業生は約8500人を超え、就職率はほぼ100%。東村の豊かな自然に囲まれ約20万坪の広大な敷地内には、宿舎・教室・体育館・グラウンド・農場・技能講習場・試験場などがあります。訓練内容は、宿舎で約6カ月間規則正しい共同生活を通し、心身の健康と協調性を養い、主に建設関連の11の資格取得を目指します。

 ジョブリッジ研究所は、2016年から沖縄産業開発青年協会とさまざまな取り組みをしています。合同企業説明会への参画を始め、進路に迷っている高校生や、建設関連の技術を身に付けたい方に、情報を提供しています。社会課題である建設業界の人手不足改善や若者の就業意欲、定着率の向上を図るため連携しています。

 沖縄産業開発青年協会吉川浩正理事長から「自分の将来は自分自身で切り拓(ひら)く。自立の精神が育まれ実践に強い真の実力を持つ人材を育成したい」と伺いました。ジョブリッジ研究所の人材育成事業の目的も、自立と自律を成しとげる人づくりです。自立とは、稼ぐ力を身につけ、経済的に自立することです。自律とは、自らの規範やルールを内に持ち、主体的に判断・行動できることです。

 ジョブリッジ研究所は、“持続可能な未来のために!”SDGsを理解し、できることを進めていきたいと思います。
(赤嶺久美、ジョブリッジ研究所代表理事)