<南風>いっぺえハワイやたっさあ!


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 8月末から9月初めにかけて、ハワイに行ってきました。ひめゆり平和研究所では、2021年にハワイで沖縄戦とひめゆり学徒隊の体験を伝える展示会と次世代向けのワークショップの実施を計画しています。それに向けての(1)関係者・関係団体とのネットワークづくり、(2)2日間で5万人が訪れるという沖縄フェスティバルへの参加、(3)ハワイ在住のひめゆり関係者への調査などが目的の旅でした。

 さらに、ハワイ大学沖縄研究センター所長の石田正人教授の取り計らいにより、フェスティバルでの当館紹介パネルの掲示やハワイ大学図書館でのミニ展示、平和講話などを実施することができました。石田先生の多大なるご協力に本当に感謝しています。

 今回何より感激したのはハワイで出会った沖縄県系人の方々のホスピタリティ(歓待の精神)でした。みなさんがランチやディナーに招待してくださり、楽しくフレンドリーにもてなしてくださいました。「明日の予定はどうなっている?どこか案内しようか」と何名かの方が声をかけてくださいました。帰り際にはそれぞれがたくさんのお土産も持たせてくださいました。

 戦後の貧しかった沖縄では、お祝いなどで豪華な御馳走が出ると、「今日のお祝いはハワイやたっさあ」と表現することがあったそうです。終戦直後、ハワイの県系人の方々は、戦争で疲弊していた沖縄に多量の物資を援助してくれた恩人でもありました。「ハワイやたっさあ」は、ハワイの豊かさだけでなく県系人の心の豊かさをも表現した言葉ではないか―そう考えるのは深読みしすぎでしょうか。いずれにしろ、今回の旅は、心が豊かになったという意味で、「いっぺえハワイやたっさあ(とてもハワイだった)」の旅となりました。
(普天間朝佳、ひめゆり平和祈念資料館館長)