コラム「南風」 地域力は子どもたちと共に


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 さかのぼること9年前、長女が中学校入学の時に親として子どもや自分のために学校に行く機会を多く作ろうと決心して学級PTA役員を自ら引き受け、その2年後にはPTA会長を引き受けた。

 『学校へ行こう』をテーマに保護者や先生方、地域の皆さんに呼びかけ、PTA活動を自分なりに学び楽しんでいた。保護者が学校へ足を運ぶことこそが、子どもたちの小さな社会である学校と家庭の連携が生まれ、さまざまな問題の解決やヒントになり、地域の教育力向上につながると信じている。
 PTA役員の活動を通して生まれた目標は『学級支援』だった。特に保護者より若い先生たちに対しては、身近であるべく学級の保護者が協力することが必要不可欠である。
 先日、末娘の通う学校へ日曜授業参観に行った。教室内に入り子どもたちの様子を観ていて、ふと壁に目をやると、教室内の展示に『わたしの夢』と貼られた用紙…。小5の娘の夢が弁護士で、その理由に「父親は人を楽しませる仕事なので、私は人を救う仕事がしたい」と父を目標にする娘の作文があった。娘なりに家庭や昨今の地域社会をみて夢を描いているのだと思う。
 子どもたちの取り巻く環境は決して良いとは言えないが、私たち大人には、子どもたちと同じ目線で、共通の話題を話せる力が大事だと思う。教室に入り娘の夢や思いを初めて知り、あらためて親としての責任を感じさせられた。担任の先生に感謝したい。
 子どもたちに一番近い大人として私たち親と、担任の先生が連携できると、学力向上の第一歩となり、人材を育成する地域力の向上にもつながると確信する。
 『地域の子は地域で育てる』。来週末、沖縄県中学校総合文化祭を中学生と一緒にネットで動画配信する。子どもたちに継承されている文化を感じてほしい。
(仲宗根朝治(なかそねともはる)、FMよみたん代表取締役社長)