コラム「南風」 スポーツは気晴らし


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 4月になり、気候も心地よい春がやってきました。プロ野球も開幕し、メジャーリーグでは田中将大投手のヤンキースでの活躍が期待されるところです。また、6月から開催されるサッカーワールドカップブラジル大会での日本代表の活躍も期待度が増してきました。

 これらスポーツは私たちの日常に勇気や希望を与えてくれると同時に、子どもたちには夢を与えてくれる素晴らしいものです。私も大学でスポーツを教える立場にあり、素晴らしい教材に巡り合え大変幸せです。
 しかしながら、スポーツはややもすると、プロ選手や運動部活動に入ってチャンピオンを目指す学生のように、激しくて練習も厳しく、時にはつらいものであり、見るには良いが、行うにはちょっと腰の引けるイメージがないでしょうか。
 「スポーツ」はラテン語desportare(もち去る、移る)を語源とし、11世紀ごろイギリスでdisport(気分転換、気晴らし)、さらに16世紀ごろにスポーツsportとなりました。意味はdis(away離れる)、port(carry運ぶ)、つまり、娯楽や気晴らし、冗談や戯れ、大騒ぎや恋愛など、現実の真面目で厳粛な生活から離れて楽しみ戯れることです。つまり、スポーツは「気晴らし」が本来の意味なのです。
 ゴルフの発祥は諸説ありますが、スコットランドの羊飼いの遊びがその一つです。羊飼いの青年が、その労働の合間に、羊を追う杖(つえ)を使って小石を打ってウサギの巣穴に入れた遊びが広まったと言われます。まさにスポーツの語源通りですね。
 スポーツの効用は、実は体が健康で丈夫になるだけでなく、うつ病などの精神疾患にも予防効果があることが分かってきています。誰でも無理なくスポーツを楽しみ汗をかくことはストレス解消になるのです。さあ皆さん、外に出てスポーツを楽しみませんか。
(笹澤吉明、琉球大学教育学部准教授)