コラム「南風」 自分の体、自分で守る


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 自分の体は自分で守る。医者に頼らず、いいと思ったことは試してみる。これが私の信条だ。
 それは27歳の時、急性肝炎で緊急入院したのが発端。その時は命にも関わる状態ということで、医師から絶対安静を言い渡され、トイレに行くことも禁じられた。半年間以上の入院と、『退院後お酒を飲んだら40歳まで生きられない、あとは君次第』と告げられた。

 そこで私は自分で治してやろうと、病室からさまざまな医学書を取り寄せ読みあさった。
 一冊の東洋医学の本に『肝は肝を持って治せ』とあったので「これだ!」と内緒で家内に頼んで、豚のレバーの照り焼きを毎日食べてみたところ、2週間で劇的に回復、わずか29日で退院できた。医師は非常に驚いていたが、レバーを食べていたとは言えなかった。(笑)
 40歳の時に健康診断でコレステロール値、血糖値、尿酸値が高いと指摘を受けた。糖尿病の家系でもあったので、甘いものは控え、友人が薦める黒酢を飲み始めた。朝晩の食後に、黒酢を水で薄めて飲み続けると、次第にすべての数値が改善。以来私の健康の秘訣(けつ)となっている。
 60歳の半ばから背中が丸まり、腹も出てきて、老いを感じるようになった。これでは洋服も似合わなくなるという危機感からスポーツジムに通いだした。
 トレーナーに『背中の丸みは肩甲骨の動きの鈍り、腹が出るのは体幹の筋肉の衰えが原因』と言われ、バーベル運動や腹筋運動の指導を受けると、姿勢よくさっそうと歩けるようになった。
 大病をしたおかげで『バランスの良い食事を心がけ、自分の体をメンテナンスする』という意識を持つようになった。自分の体を大切にすることが健康の何よりの秘訣ではないでしょうか。
(貞末良雄、メーカーズシャツ鎌倉会長)