コラム「南風」 会いたかった


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 いじめ対処法として、加害者も排除しないで、仲間に入れるというサポートグループ法に感激して、詳しく知るためヨーロッパに出掛けたことがあります。オランダの学会で最初の分科会、隣同士で自己紹介。私はイギリスから来たという女性に「あなたの国のスー・ヤングに会いたくて来たけど、知っていますか」と話すと「もう会っているわよ」と言われてビックリ。

導かれるような出会いから3日間、休憩時間、懇親会もくっついて話を聞き、難しいところは通訳も入れて質問。その後東京に招いてワークショップもできました。
 会いたいと思うことが 何よりも大切だよ
 苦しさの裏側にあることに目を向けて 夢を見てよ
(「浪漫飛行」米米CLUB)

 解決志向アプローチ創始者のインスーのワークショップが福岡でありワクワクして参加。自分の困難事例を話してスーパーバイズを受ける。話を聞いた後「ミスターナガタ、よくやっていますね」。問題は指摘せずに承認し称賛。それでメロメロに。後は自分の口から解決策が次々出てきました。温かい言葉のハグは彼女亡き後も忘れられません。

 会いたかった 会いたかった
 会いたかった Yes!
(AKB48)

 家族療法学会で札幌に行き研修を受けた帰り、講師のキャラハンと同じ飛行機に乗り合わせました。声を掛けると、もっと教えるからアメリカにおいでと熱心な勧誘。半ば行く気になり、友人に相談したところ「キャラハンは会場で手当たり次第誘っていたよ」と聞かされすっかり興ざめ。私だけじゃなかったんだ。

 あなただけが 生きがいなの…てなこと言われて その気になって…
(「ハイそれまでヨ」ハナ肇とクレージーキャッツ)

 それでも会いたい気持ちがあって多くの出会い、感謝です。
(長田清(ながたきよし)、精神科医)