コラム「南風」 チャコの海岸物語


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 サザン・オール・スターズ「チャコの海岸物語」のチャコが誰か知っていますか。歌詞の中に、星は何でも知っているというフレーズがあって、これは平尾昌晃のことを指し、好きだよミーコ、好きだよピーナツと続いて、それは弘田三枝子、ザ・ピーナツのことです。となるとチャコは?

 私が上山中学2年のとき、「シャボン玉ホリデー」などのTV番組で「悲しき街角」「ルイジアナ・ママ」を聞き、飯田久彦の大ファンになりました。やがてブームは去り、潔く歌手を辞めた彼はレコード会社に就職。
 芸能界から消えた彼を再び見たのは欽ちゃん司会の「スター誕生!」。審査に合格した素人を各レコード会社がスカウトする場面で、なんとビクターの代表として出てきました。彼はピンクレディーや柏原芳恵を発掘してスターにしました。昔と変わらずシャイで控えめな様子を見てうれしかった。
 彼のニックネームがチャコです。桑田佳祐は同じビクターの歌手ですから、彼一流のおふざけでチャコの名前を使ったのです。「チャコの海岸物語」のチャコとは飯田久彦に間違いない。まあ私の妄想ですけど。
 私のウクレレライブでチャコの歌を歌ったところ、観客の女性が「うちの主人は東京で飯田久彦の健診をしていたのよ」と言いました。その後別の機会にご主人も聞きに来たのでチャコの脈を取ったその手に握手させてもらいました。さらに私の音楽の師匠のジムロック(プロデューサー、アレンジャー)にチャコの話をすると「私は彼と一緒に仕事をしてましたよ」と。えええ! これを友人に話したら「飯田久彦なら先月ゴルフ場で見掛けたよ」。なななんと、包囲網が縮まってきました。今ではエイペックス(芸能プロダクション)の代表取締役になっているけど会いたいな。誰か見掛けたら教えて。ウオンテッド(ピンク・レディー)。
(長田清、精神科医)