コラム「南風」 最近のNEW YORK


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 MADISON STOREいわゆる鎌倉シャツNEW YORKは、開店して1年半になる。
 この世の終わりに食べたいレストラン第1位の高級フレンチ「ブーレイ」。給仕も料理人もシャツとタイでドレスアップしている。「ブーレイ」から制服を承った。AMEX BLACK CARDの方々も、さりげなく買い物に来られる。サービスも商品も一流と認められ始めている。

 一流には、新米もベテランも差別はない。予想もしない出店の要請を受けている。彼らの調査能力は本物だ。革新性が要求される市場なのだ。日本では想像できないスピートである。今日の一流は、明日の一流を約束しない。自己否定の進化が日常なのだ。
 当初、マディソンの紳士に適応するために、商品不足で迷惑をかけられないと考え、大量のストックを準備したのは間違いと気付いた。安心してこれで十分と考え、変化に対応する心構えを失った。油断は進化を止めた。
 在庫をもたず、売れ続ける供給に切り替えた。日本もアメリカも同じ仕組みで運営するという原点に戻した。困難に克服するために、全社あげて危機意識を共有した。
 効果はてきめん、売り上げは急上昇した。新商品の高回転供給は、顧客来店の頻度向上と口コミでの広がりをもたらしたのである。商品は良いから売れるはず、では駄目なのである。顧客満足の継続こそが、NEW YORKERを納得させたのである。
 それだけではない。ニューヨークには4000万人の観光客が訪れる。店の近くには、国連もあり世界の要人が訪れている。彼らもリピーターになってくれている。口コミは世界に広がる。そんな中で、NEW YORK、2店目の展開が開けているこの頃である。
(貞末良雄、メーカーズシャツ鎌倉会長)