コラム「南風」 ライブでつながる


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 今日はロックの日。私はロックに限らずさまざまな音楽を聴く。年々聴く音楽のジャンルが多様化していく。「○○じゃないとロックじゃない」という頑固なこだわりもない。何のジャンルにしろ、音楽は生で聴くのがいい。

 今までいろいろな職場で働いてきたが、不思議なのは、行く先々でミュージシャンと出会うことだ。だからライブに出掛ける機会が増える。今では県外から来るメジャーなバンドのライブに行く機会は減り、友人知人バンド、沖縄のミュージシャンのライブに行くことがほとんどだ。私がライブハウスで詩の朗読をさせていただいたり、以前コミュニティーラジオで番組を持たせていただいたりしたのも、ミュージシャンたちとの縁のおかげである。
 宜野湾海浜公園野外劇場はどこに座ってもステージが見やすくていい場所だと思う。
 学生のころ、ラブサイケデリコのライブを見に宜野湾海浜公園野外劇場に行った。一緒に見に行った友達と共通して好きなのはGLAYだった。「ここにGLAYが来たらいいのにね。どこからでもステージがよく見られるし、近いもん」と話した。その一方でまさか来るわけないだろう、と思っていた。ところが、それから2年後、本当にGLAYは宜野湾にやって来た。目の前でおなじみのナンバーを演奏しているのを聴いた。3月下旬の冷たい海風に吹かれながら。
 今年の3月にはモンゴル800の15周年ツアーファイナルを見に行った。高校の後夜祭で初めて見たモンパチ。その後私は、沖縄に住もうが、東京に住もうが、その土地で開催されるモンパチのライブに足を運んだ。一緒に年齢を重ね、宜野湾の地でまた音楽と時間を共有できたことは感慨深かった。一緒に青春を今もなお、駆けている気がする。
(トーマ・ヒロコ、詩人)