琉球新報社 名前を「桃子」と名付けました。私に子どもが生まれたわけではありません。これは、私の車の名前です（笑）。
私は、５年間ペーパードライバーだったのですが、最近やっと運転できるようになりました。これって、私にとっては人生が変わるくらいの一大事。運転することに対してとてつもない恐怖心があったのにもかかわらず今では車に「桃子」と命名するほどの愛着ぶり。こんなに運転が楽しいとは夢にも思ってもいませんでした。
私が運転しなかった理由というのはたった一つ。それは「恐怖心」でした。恐怖心は私たちの生活において、いろいろと邪魔をしてきますよね。まだ起こってもいないことに対してどうしよう！ と思い煩って、夜も眠れないなどという経験は皆さんも一度はあると思います。車の運転だけではなく、私は自分の職業でもある「歌う」ということに対する「恐怖心」があった時期もありました。うまく歌えなかったらどうしよう、などライブの前にネガティブな思いと絶望的なイマジネーションが私を攻撃してきます。
「Ｍｉｓｓ ｌｉｔｔｌｅ Ｖｏｉｃｅ」という私の曲は「その声はどこから聞こえてくるの？ 胸に手をあてて出会えるｍｉｓｓ ｌｉｔｔｌｅ ｖｏｉｃｅ」と始まり、恐怖と戦う自分の心の小さな声にだけ耳を傾けて書いた曲です。不思議とこの歌詞を書いているうちに恐怖心が薄れてゆくのを感じ、歌詞にある「きっと大丈夫」と歌うたびに自信を取り戻すことができました。またこの戦いの後には人生が変わるほどのご褒美も用意されていました。この曲が初めてオリオンビールのサザンスターのＣＭに起用されたのです。ワオ！ そんなことを思い出させてくれた「桃子」の存在は今日も私をよりいっそう強くしてくれている気がします。それでは行ってきます！
（Ｍａｎａｍｉ、歌手）
