コラム「南風」 不思議な縁


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 私はフリーのアナウンサーとして県内でラジオのパーソナリティーや司会の仕事をしています。今回こうして新聞のコラムを担当できることになり、不思議な巡り合わせに驚いています。

 どうしてかというと学生時代は新聞記者になりたいと思っていたからです。夏休み中にインターンシップまで行き、記者の方にくっついてはあちこちに取材に連れて行ってもらいました。
 いろんな場所に飛び回って、たくさんの方に話を聞いて旬の情報を伝える姿に憧れ、その思いを募らせて大学4年生の時に採用試験を受けたのですが、まさかの不採用。「努力すればなんとかなる」と思っていた私の甘い考えは見事に打ち砕かれ、この先どうしようかととても落ち込んだことを覚えています。
 でもその時にちょうどラジオ局で子ども番組のリポーターの仕事をいただいて、毎回取材に行って子どもたちに話を聞いているうちに、「人に話を聞いたり新しい情報を伝えたりすることは、必ずしも記者の仕事だけではない」ということに気がつき、自分の視野が広くなったことを覚えています。
 大学を卒業した後はテレビ局でリポーターやキャスターの仕事をし、今はラジオパーソナリティーの仕事をしています。
 記者もリポーターもスタジオでニュースを伝えるキャスターの仕事も何らかの形で、人から話を聞いて新しいことをたくさんの人に伝えることができるし、ラジオのパーソナリティーもリスナーからのメッセージを読んで、自分なりの考えを伝えられます。
 もし就職活動で行き詰まっている人がいたら、職種や肩書き、会社名だけではなくて「何がやりたいのか」「何に興味があるのか」ということをちょっと立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか。そうすることで何かヒントが見つかるかもしれません。
(山田真理子、フリーアナウンサー)