コラム「南風」 よりよい医療目指して


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 大学入学のために沖縄に来て25年、うちなー嫁になって20年、産婦人科医になって18年たちました。医師国家試験の1カ月前に生まれた長女は19歳ですが、4番目の次男はまだ4歳。子育て真っ最中です。

 3番目の子を妊娠中に上司から「そんなにいろいろとこだわってやりたいことがあるんだったら開業したら」と言われて、それまで考えたこともなかった開業を思い立ちました。
 とはいえすぐに計画が進んだわけではなく、そんな大変なこと絶対反対と家族からの大反対に遭いました。その後も、完全に納得したわけではないといいつつも土地探し、設計、開業準備と小児科医の夫が全面的に協力してくれて、開業を思い立ってから4年後に開業しました。設計には時間をかけた方が良いという設計士さんの勧めもあって設計には約2年かけて検討を重ねました。設計に時間をかけて図面の上で何度も作り直したので、満足いく自宅兼診療所ができました。
 実際に開業してからは、自分のやりたいことを追求できる仕事のやりがいは大きいですが、経営の大変さを実感する毎日です。
 禁煙外来やピルの処方など大きな病院の産婦人科外来ではできなかったので、開業して自分がやりたい医療ができるようになったと思います。親子の絆づくりを妊娠中から産後を通してサポートしたいと思って始めた診療所ですが、まだ十分な体制ができていないので、これからもよりよい医療を目指して頑張っていきたいと思っているところです。
 産婦人科医の視点からコラム執筆を依頼されたかもしれませんが、一般の産婦人科医とはちょっと変わっている私です。これがスタンダードということはあまり無いのですが、診療や日常のことなどいろいろと書いていきたいと思いますのでよろしくお願いします。
(島袋史、ゆいクリニック院長 産婦人科医)