コラム「南風」 動き始めた商店街


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 最近は商店街の中で、街おこしに積極的に関わる人たちが増えてきました。定期開催されるパラソル青空市や、季節ごとのイベントなど、今までになかった取り組みが行われ、活発化しています。

 私が商店街に関わり始めた数年前は、各通りとの連携があまりなく、外部の人たちが中心となり、現場に目を向けていない、内向きな活動だった気がします。
 その活動内容に疑問をもった人たちが集まり、商業者を中心とした現在の体制に変わっていきました。私は、実働部隊の先頭に立っていくわけですが、当初は分からない事の連続で、正直大変でした。街おこしの経験がない、いわゆる新参者だったからです。
 当時よく言われたのが、「よそ者のお前に何が分かるのか」といった、冷たい言葉でした。それでも活動を継続できたのは、応援してくれる人たちや、活動を共にする仲間がいたからです。そのころからの一番の理解者が、現在は副理事長として支えてくれています。
 今では多くの人たちが、私たちの活動を自分たちの事と捉え、前向きに理解してくれていると思います。
 もうひとつ大きく変わった点が、行政側の関わり方だと思います。当時の担当課は、一生懸命だったと思いますが、大きな隔たりもあった気がします。
 しかし、最近は若い職員たちが、現場によく足を運び、声を聞いて、意見交換を重ねながら頑張ってくれています。これからの取り組みを加速させるためにも、やれる事は素早く行動に移し、商店街の人たちへアピールしていく事や、通り会組織のない場所への目に見える形での応援などを行っていかなければならないと思います。
 行政側と積極的になった商店街が、担当者を中心にさらに積極性を増せば、明るく楽しい牧志の商店街が必ず見えてくるはずです。
(新里俊一、一般社団法人なは市場振興会理事長)