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中高生に「妊娠前ケア」知識を 将来の後悔防げ 岡山でサイト開設「自分事に」


中高生に「妊娠前ケア」知識を 将来の後悔防げ 岡山でサイト開設「自分事に」 岡山県が立ち上げたプレコンセプションケアや性について学べるウェブサイトのパンフレット
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 多様な生き方が広がり妊娠や出産が高齢化する中、中高生のうちから将来子どもを持つ選択肢を踏まえた知識を身に付けてもらおうと、岡山県が妊娠前の健康管理「プレコンセプションケア」や性について学べるウェブサイトを立ち上げた。監修した岡山大の中塚幹也教授(生殖医学)によると、中高生向けサイトは全国的に珍しいという。

 東京都の卵子凍結助成事業が反響を呼ぶなど将来の妊娠や出産に備える需要は大きい。一方で中塚教授は、年齢を重ねるにつれ妊娠する力が低下することを知らず不妊外来で落胆する例が後を絶たないと指摘。「ライフプランに正解や不正解はないが、後悔しないよう早いうちから知識を身に付けて」と呼びかける。

プレコンセプションケアや性について学べるウェブサイトを紹介する岡山大の中塚幹也教授

 サイトでは(1)妊娠の仕組み(2)性感染症などのリスク(3)不妊症と不育症の原因や治療法(4)女性の健康課題を解決に導く製品やサービス「フェムテック」や卵子・精子凍結保存の技術(5)性の多様性―など幅広い情報を体系的にまとめた。

 イラストをふんだんに使い、やさしい言葉で分かりやすく説明。学生による動画解説も付けた。チェックシートも掲載し、自分の身に引きつけて考える「自分事」として具体的に確認できる工夫を凝らした。

 最近は交流サイト(SNS)などで簡単に知識を得られるが、誤った情報に振り回されてしまう人も少なくない。中塚教授は保健の授業など、学校で教わる内容も十分ではないとし「保護者や医療・教育関係者にもぜひ活用してほしい」と話す。アドレスはhttps://miraihenosentakushi.jp

(共同通信)