有料

能登地震、激甚指定 震災11日目 死者213人、不明37人


能登地震、激甚指定 震災11日目 死者213人、不明37人
この記事を書いた人 Avatar photo 共同通信

 政府は11日、石川県で最大震度7を観測した能登半島地震を「激甚災害」に指定した。道路や農地の復旧事業に対する国の補助率を引き上げ、早期復旧を後押しする。輪島市の能登空港は仮復旧が完了し、自衛隊輸送機の発着が可能になった。地震発生から、この日で11日目。県によると死者は午後2時時点で213人、安否不明者は37人。道路の寸断が続き、輪島市を中心に2562人が孤立状態となっている。 (23面に関連)

 激甚災害では、対象地域を限定せず、農地や水路、林道のほか、河川、道路、下水道などの公共土木施設、公立学校などの復旧事業の国庫補助率を1割程度引き上げる。

 農協や漁協が所有する倉庫、共同作業場の復旧に対する国庫補助率も大幅に上げる。公立の公民館や図書館、体育館など社会教育施設の復旧事業は3分の2、私立学校は2分の1を国庫補助。中小企業が事業再建資金を借り入れる際の融資保証を手厚くする。

 地震で職場が休業に追い込まれた被災者は、雇用保険の失業手当の支給対象とする。休業手当を支給する企業が国から受け取る雇用調整助成金の支給要件も緩和する。

 政府は「特定非常災害」への指定も閣議決定。運転免許証の有効期間延長、相続放棄の判断期間延長など、行政手続きの特例措置を適用し、被災者の負担を軽減する。

 県の11日のまとめでは、輪島市や珠洲(すず)市、七尾市のほぼ全域など約5万7千戸で断水。約1万3千戸で停電している。各市町が開設した避難所400カ所と県が確保した2次避難所など8カ所には、計2万4038人が避難している。

 岸田文雄首相は官邸で記者団に「命と健康を守るため、より安全な環境への移動を検討してもらうことが重要だ」と述べ、2次避難を推進すると強調。応急仮設住宅の建設なども急ぐとした。

 国土交通省は、被災者がすぐに入居できる公営住宅として、全国で約6500戸が10日時点で確保されたと明らかにした。受け付けは順次始まる見通し。自治体別の死者数は珠洲市98人、輪島市83人、穴水町20人、七尾市5人、能登町4人、志賀町2人、羽咋市1人。

(共同通信)