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法廷に響く拍手 傍聴席 「重大な犠牲」字幕見つめ 旧優生保護法「違憲」


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 「正当な理由なく差別し、重大な犠牲を求めた」。天窓から光の差し込む大法廷に響く裁判長の言葉に、原告らはじっと聞き入った。最高裁が旧優生保護法を違憲とする判決を下した3日。言い渡しが終わった瞬間、傍聴席からは拍手が湧き起こり、原告らは感極まって涙ぐみ、弁護団と固く握手を交わした。

 幾多の絶望や屈辱を乗り越えて勝ち取った悲願の判決。国の責任、旧法の違憲性などが一つずつ、聴覚障害者などのために設置された字幕に表示されていき、原告らはじっと見つめていた。

 手術から20年で賠償の請求権が消える除斥期間の適用について、裁判長が「著しく正義・公平の理念に反する」と言及すると、満席となった傍聴席では、小さくガッツポーズしたり、笑顔を見せたりする人の姿も。神戸訴訟の原告で、聴覚障害のある小林宝二さん(92)は、手話通訳人を真っすぐに見つめ、大きくうなずいていた。原告団は最高裁正門前で、支援者らに感謝を伝える言葉など、複数の手書きの垂れ幕を掲げ、歓喜。「おめでとう」の声が飛び交った。神戸訴訟の原告で脳性まひのある鈴木由美さん(68)は「みんなが頑張ってくれて、ほんまにいろいろな思いが浮かんだ」と口にした。

(共同通信)