有料

手話通訳、初の公費負担 障がいのある傍聴人に配慮 旧優生保護法「違憲」


この記事を書いた人 Avatar photo 共同通信社

 旧優生保護法を違憲とする判決が言い渡された3日の最高裁大法廷では、公費で初めて手話通訳者を配置するなど、障害のある傍聴人らのためにさまざまな配慮がなされた。最高裁によると、障害のある当事者や傍聴人への対応としては過去最大規模の措置という。

 判決では、裁判長を務めた戸倉三郎長官の発言をまとめた紙や判決内容の要旨が法廷内の大型モニター6台に映し出された。戸倉長官は平易な言葉で判断理由をゆっくりと読み上げた。

 傍聴席には12人分の車いす用スペースを確保。法廷前には角度が緩やかなスロープが設置された。

 開廷前には129席の一般傍聴席を求めて、約950人が並んだ。傍聴整理券の交付場所にも公費負担で手話通訳者が配置された。

 最高裁は6月、傍聴人向け手話通訳者について「公費負担も選択肢の一つ」と全国の裁判所に通知した。

 今後、地裁や高裁でも同様の対応が取られる可能性がある。

(共同通信)