有料

首相、防衛43兆円堅持 参院予算委 野党、資金不記載追及


首相、防衛43兆円堅持 参院予算委 野党、資金不記載追及 参院予算委で答弁する岸田首相=27日午後
この記事を書いた人 Avatar photo 共同通信社

 岸田文雄首相は27日の参院予算委員会で、2023年度から5年間で防衛費を総額約43兆円に増やす方針を巡り、円安に伴う装備品調達価格の上昇にかかわらず総額は堅持する意向を表明した。「必要な防衛力を用意するために積み上げて閣議決定した数字だ。この範囲内で強化する方針は変わらない」と述べた。自民党5派閥のパーティー収入過少報告問題に関し、党地方組織も政治資金収支報告書への不記載が指摘され、問題意識を持ち対応すべきだとした。

 防衛装備品調達費への円安の影響に関し、鈴木俊一財務相は大型輸送ヘリコプターCH47が19年度の見積もりから陸上自衛隊分で109億円、航空自衛隊分で140億円の増額になると説明。

 木原稔防衛相は地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の代わりに建造する「イージス・システム搭載艦」の経費が昨年12月の見通しから約2千億円増の約6千億円に上るとした。

 立憲民主党の辻元清美氏は「装備品を減らすか大増税か、どちらかしかない」と指摘。首相は「装備品のまとめ買いなどの工夫を凝らし、実質的な抑止力、対処力の維持を図りたい」と語った。

 政治資金を巡り、自民党東京都連などでも収支報告書へのパーティー収入の不記載があったとの指摘に「全国の団体にも問題意識を持ってもらうことが重要だ。党全体の信頼回復に向け、どう対応すべきか考えたい」とした。立民の石橋通宏氏は「組織的な裏金づくりではないか」と批判した。

 首相は、24日に公表された22年分の政治資金収支報告書で自民派閥の収入不記載があった問題に関し、岸田派は該当しないとした上で「他派閥は責任を持って説明すべきだ」とした。

 内閣支持率の低下に関し「国民のさまざまな声を丁寧に聞き、謙虚に受け止めながら、先送りできない課題に答えを出していく」と語った。

 西村康稔経済産業相は、25年大阪・関西万博に出展するパビリオン「日本館」の建設や解体費を含めた総額を360億円に抑えたいと説明した。

(共同通信)