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日米指揮統制「再構築を」 元高官ら報告書 有事念頭、同盟強化


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【ワシントン共同】知日派のアーミテージ元米国務副長官ら超党派のグループは、より統合された形であらゆる事態に対処できる日米同盟を目指し、経済と安全保障の関連性を高めて連携強化を図るべきだとする報告書を発表した。台頭する中国をにらみ、米軍と自衛隊の指揮統制の再構築を提言した。戦略国際問題研究所(CSIS)が4日公表した。

 報告書はアーミテージ氏やナイ元国防次官補らによるもので、今回が第6弾。2000年の第1弾は日本に集団的自衛権の行使容認を求め、日米両政府の政策に影響を与えた。

 今回の報告書では、インド太平洋や他の地域で強権的に権益を追求する中国、ウクライナ侵攻を続けるロシア、パレスチナ自治区ガザで戦闘するイスラエルとイスラム組織ハマスに言及。「日米は第2次大戦後で最も崩れた国際環境に直面している」と危機感を示した。

 日米の司令部が有事に可能な限り円滑な連携を取れるようにすべきだとした。韓国やオーストラリア、フィリピンとの多国間協力を拡大することや、中国が統一圧力を強める台湾を支援し、日米と台湾の3者間対話を進めることも促した。