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霧島ら首位、美ノ海4敗目 大相撲九州場所 小兵翠富士、1差で追う


霧島ら首位、美ノ海4敗目 大相撲九州場所 小兵翠富士、1差で追う 美ノ海(奥)が押し出しで熱海富士に敗れる
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 大相撲九州場所11日目は22日、福岡国際センターで行われ、大関霧島は関脇若元春を寄り切り、9勝2敗で首位を守った。関脇琴ノ若も大関貴景勝を送り出して9勝目。貴景勝は4敗目を喫し、2場所連続優勝が厳しくなった。大関豊昇龍は朝乃山を下手投げで退けて勝ち越し。関脇大栄翔は一山本を引き落として7勝目。一山本は3敗に後退した。若元春は4勝7敗。トップの2敗で霧島、琴ノ若、平幕熱海富士が並び、1差の3敗で豊昇龍、平幕の翠富士、竜電、一山本が追う混戦。前頭美ノ海は熱海富士に押し出され、4敗目を喫した。十両は琴勝峰ら3人が3敗で首位に並んだ。

翠富士(左)が押し出しで平戸海を破る=福岡国際センター

小兵翠富士 1差で追う

 好調のご当地力士への声援で盛り上がる館内の空気を、翠富士は力に変えた。「自分の応援だと思うようにした」。長崎県出身の平戸海を圧倒して8勝目をつかみ「早めに勝ち越せたので、だいぶうれしい」と柔和な笑みで喜んだ。

 身長174センチで関取最軽量の115キロ。巧みな肩透かしが代名詞の小兵は正攻法を披露した。低い当たりから左おっつけ、もろ差しで攻める。左はずで力強く押し出し「相手も大きくないし、前に出ていこうと思っていた」と胸を張った。

 静岡・飛龍高の後輩、熱海富士から刺激を受けている。弟弟子は先場所で優勝同点。今場所も賜杯レースのトップに並ぶ。「抜かれたくない。応援はしているが、自分が上にいたい」と兄弟子の自負をのぞかせた。

 3月の春場所は初日から破竹の10連勝で後続に2差をつけながら、終盤の5連敗で初の賜杯を逃した。「優勝を意識した」との反省を胸に刻み、今場所は「意識していない。普通に取れている」と平常心。優勝争いを1差で追っている。

 西前頭5枚目で「ずっと三役に上がりたいと思っている。ここでしっかり勝てば可能性はある」と新三役をにらむ。7日目は水入りとなる約6分40秒の大熱戦だった。小さな体に疲労が蓄積し「来場所の分を出している」。底力を振り絞り、残り4日間を闘い抜く。

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首位の気負いなし 熱海、美ノ海を破り9勝目

 首位に並ぶ熱海富士に気負いは感じられない。美ノ海を前傾姿勢で力強く押し出して9勝目。優勝決定戦まで進んだ先場所の勢いを持続し「前に出られている。勝てて良かった」と納得顔だった。

 八角理事長(元横綱北勝海)は「先場所とは違う。自信をつけているんだろう」と成長を認める。12日目は自身初の結びの一番で豊昇龍に挑む。21歳のホープは支度部屋で対戦相手を聞かされると「終盤という感じ。頑張るしかない」と気合を高めた。

 ●…美ノ海(熱海富士に屈して4敗に後退)「自分より大きい相手にパワーでは勝てない。立ち合いでどう左前まわしを取るかだったが、届かなかった」

(共同通信)