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宇良2大関撃破 横綱照ノ富士、2勝目 美ノ海2勝目<大相撲春場所>3日目


宇良2大関撃破 横綱照ノ富士、2勝目 美ノ海2勝目<大相撲春場所>3日目 宇良(奥)が突き落としで霧島を破る=エディオンアリーナ大阪
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 大相撲春場所3日目は12日、エディオンアリーナ大阪で行われ、先場所覇者の横綱照ノ富士が朝乃山を寄り切り、2勝目を挙げた。新大関琴ノ若は小結錦木を突き出して2勝1敗とした。

 他の3大関は、かど番の貴景勝が明生をすくい投げ、豊昇龍は熱海富士を寄り切りで退け2勝目。霧島は宇良に突き落とされて3連敗。両関脇は、若元春が隆の勝を押し出して3連勝としたが、大栄翔は小結阿炎に押し出されて3連敗となった。阿炎は3連勝。美ノ海は島津海を上手出し投げで破り、2勝目を挙げた。

宇良、ご当所で業師の真骨頂

 熱戦を物語る崩れた大銀杏(おおいちょう)のまま、誇らしげに花道を下がった宇良。その背中にこの日一番の大歓声が降り注いだ。真骨頂の曲芸のような動きで今場所2人目の大関を撃破し「無我夢中でした」と息を弾ませる。大阪府寝屋川市出身の業師が、ご当所場所で輝いた。

 低い姿勢で出たが、懐に入れさせたくない霧島にさばかれて俵に詰まる。再び低く当たろうと体を沈めると、この動きで大関の左の突きが空転。バランスの乱れに鋭く反応し、左から突き落として地をはわせた。ボクシングのような鮮やかな攻防だった。

 場所前の2月。母校の鳥羽高がある京都市内で先場所の新三役昇進を祝う会が開かれ「6年以上眠らせていた紋付きはかまであいさつできた。感謝の気持ちでいっぱい」と大粒の涙を見せた。右膝の大けがで休場が続いた6年前、同地でのパーティーでは「今日が紋付きはかまを着られる最後の日です」とあいさつした。直後に発表される2018年春場所の番付で幕下に落ち、関取でなくなることが分かっていたからだった。当時の悔しさを胸に刻み、いつでも応援してくれる地元の思いに胸が熱くなった。

 新小結の先場所は6勝9敗で「上位の壁は厚い」と苦杯をなめたが、大阪ではひと味違うか。4日目の相手は貴景勝。3大関撃破なら「春の嵐」の中心になる。


<白星・黒星>

 ○…尊富士(鳥取城北高で同級生だった狼雅に勝ち3連勝)「頭より体が一番意識する。相手のいいところ、悪いところが分かる」

 ●…島津海(3連敗。痛がるそぶりを見せた左膝に)「大丈夫です」

 ○…阿武咲(3連勝。寒さの残る大阪に)「朝稽古で足の感覚がなくなるまで冷え、地元の青森を思い出して懐かしくなった。しっかりと体と会話しながらやれている」

 ○…若元春(3連勝も)「出足は良かったが、それだけ。自分の形をつくりきれていない。盤石の形を常に考えないと」

 ○…阿炎(新師匠の下で好調)「先代(前錣山親方の元関脇寺尾=故人)の『一日一番』という教えを土俵に持ち込んでいる。もっと集中して自分の相撲を取っていく」


<3日目勝負>

    =十両=
千代栄 つきおとし 北磻磨
伯桜鵬 よりきり  勇磨
琴恵光 はたきこみ 対馬洋
天空海 ひきおとし 碧山
若隆景 おくりだし 紫雷
欧勝海 よりきり  玉正鳳
朝紅龍 つきおとし 獅司
大翔鵬 よりきり  志摩海
千代翔 おくりだし 白鷹山
白熊  不戦勝   英乃海
輝   よりきり  欧勝馬
友風  よりきり  武将山
宝富士 うわてなげ 水戸龍
時疾風 おしだし  東白龍
    =中入り後=
尊富士 うわてなげ 狼雅
遠藤  よりきり  妙義龍
錦富士 とったり  大奄美
北の若 よりきり  竜電
美ノ海 うわてだしなげ 島津海
湘南海 こてなげ  一山本
御嶽海 よりきり  佐田海
正代  おしだし  北勝富
高安  よりきり  琴勝峰
阿武咲 よりきり  金峰山
豪ノ山 はたきこみ 玉鷲
剣翔  はたきこみ 翠富士
大の里 よりきり  平戸海
翔猿  はたきこみ 王鵬
若元春 おしだし  隆の勝
阿炎  おしだし  大栄翔
豊昇龍 よりきり  熱海富
宇良  つきおとし 霧島
琴ノ若 つきだし  錦木
貴景勝 すくいなげ 明生
照富士 よりきり  朝乃山

<郷土関係>

【序ノ口】
○出羽大―秋山(東京)
【幕下】
●千代勝―諒兎馬(愛知)
○宮城―千代海(高知)
○嘉陽―北大地(北海)

(共同通信)