【動画あり】6年ぶりに琉球王朝の「古式行列」通常開催 首里城復興祭 華やかな儀式、観客魅了 


【動画あり】6年ぶりに琉球王朝の「古式行列」通常開催 首里城復興祭 華やかな儀式、観客魅了  大勢の観客が見る中、守礼門を抜けて進む「琉球王朝祭り首里」の古式行列=3日午後1時すぎ、那覇市の首里城公園(喜瀨守昭撮影)
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 琉球王朝の歴史や文化を体感できる「首里城復興祭」(首里城祭実行委員会主催)が文化の日の3日、那覇市の首里城公園を主会場に開幕した。初日となる3日は琉球国王の正月参詣の様子を再現する古式行列(第58回琉球王朝まつり首里)が2017年以来6年ぶりに通常開催された。

 先導役の「諷仲門(うてーなかじょう)」を先頭に摂政や三司官、そして国王や王妃ら約200人の行列が奉神門から守礼門、龍潭通りを練り歩いた。

 沿道には多くの県民や観光客が詰めかけ、華やかな琉球王朝の儀式に見入った。首里城焼失から4年、そして首里城正殿の起工式からちょうど1年となる3日、祭り参加者や観客らは首里城再建に向けた思いを新たにした。

 行列は、王国時代に国の安泰と豊作を祈願するために、国王が正月に円覚寺、天王寺、天界寺を参詣する儀式「三ヶ寺参詣行幸」を再現している。古式行列の後には、首里地域にある旗頭や獅子舞など総勢1300人による祝賀パレードが行われた。

 家族4人で数年ぶりに古式行列を見に来たという首里石嶺町出身の瀬名波幹雄さん(44)は「琉球王朝祭りは首里の人にとって大事な祭りだ。久々に多くの人でにぎわってうれしい」と語った。

 首里城復興祭は5日まで。4日は国王と王妃が奉神門から登場し、一般観覧車の前を練り歩く「国王・王妃出御」があり、5日は国際通りで4年ぶりとなる「琉球王朝絵巻行列」が行われる。さらに、首里城復興特別見学ツアーや琉球芸能公演など多彩な催しも行われる。

 正殿は2026年秋に完成予定。焼失前の祭りは「首里城祭」として実施していたが、正殿完成までは復興への願いを込めて「首里城復興祭」としている。(吉田健一)