世界でこの1点のみ、琉球国王の「玉冠」一般公開　正装の「唐衣装」も4年ぶりに　那覇市歴史博物館で15日まで

　那覇市歴史博物館は、琉球国王が即位儀礼の冊封などの儀式の際に着用していた国宝「玉冠（ぎょくかん）」を3～15日まで一般公開する。現存する琉球国王の冠は世界中でこの1点のみで、公開は半年ぶり。国王の正装「唐衣装」も同時公開する。唐衣装の公開は4年ぶり。

　玉冠の制作年代は18～19世紀とされるが、歴代のどの国王が使用したかは分かっていない。表面には12本の金筋に金、銀、水晶など7種類の玉が24個ずつ施され、金のかんざしには王権を表す2頭の龍が精密に刻まれている。

　伊集守道主任学芸員は「玉冠は当時の工芸の技術が凝縮されている。琉球王国時代の極みを感じ取ってほしい」と来場を呼びかけた。

　開館時間は午前10時から午後7時。木曜は休館日。入館料は一般350円、大学生以下は無料。文化の日の3日は入館無料。

　（吉田健一）