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世界の古銭が1万点超 宜野湾博物館 収集歴70年の翁長良明さん


世界の古銭が1万点超 宜野湾博物館 収集歴70年の翁長良明さん 修学旅行生にお金の面白さを熱心に伝える翁長良明さん(右)=4月24日、宜野湾市立博物館
この記事を書いた人 Avatar photo 石井 恭子

 【宜野湾】宜野湾市立博物館(平敷兼哉館長)25周年企画展「お金で世界を感じ展~翁長良明氏古銭収集70年間の歩み~」が始まっている。6月2日まで。県内屈指の古物収集家である翁長良明さん(75)の集めた古今東西、200以上の国や地域の通貨や貨幣1万点以上が、テーマごとに並ぶ。時代ごとでなく、あえてテーマにこだわった展示は「子ども目線で考えた。子どもたちに、世界は広く、こんなにたくさんの国があると知ってほしい」と翁長さんは意気込んでいる。

 5月12日午後2時からは翁長さんが語る市民講座「古銭収集70年間の歩み」を開催する。

 古くは約3500年前のものから世界のお金がびっしりと並び、琉球の14世紀の三山時代のお宝「中山通宝」やA円、B円など沖縄の歴史を物語るお金、いろいろな動物が描かれたお金など多彩。見て感じた好きなお金とその理由を書いて応募すると抽選でコインが当たる。

 翁長さんが最近購入したという自慢の、50年ほど前にバリ島の各地で計350トンほど見つかった古銭(中国、日本、琉球王国など)の一部や、17歳の時に見かけてすぐには手が届かず、その後手に入れた19世紀の100ドルの貿易銀も展示している。6歳の時、首里城で偶然古銭を拾ってこの道に魅せられ70年。生粋のコレクターは「ただ待っていては来ない。努力ですよ」と自負する。

 会場を訪れる人の中には展示に郷愁を誘われ「昔、首里劇場のトイレの、ふん尿の中に20円札が落ちていて拾おうかどうしようか、とっても迷った」との懐かしい記憶を呼び覚まされた人も。修学旅行生に貝のお金を紹介した翁長さんは「財産の『財』という時には『貝』が入ってるでしょう」などと熱心に説明していた。

 同博物館では20年前にも翁長さんの収集歴50周年企画展を開催した。学芸係の田中樹さんは「20年前から内容も翁長さんもパワーアップしている。子どもたちに来てもらって、情熱を一つのものに注ぐというきっかけを翁長さんから得てもらえればうれしい」と語った。

 毎週火曜、祝祭日休館(5月4、6日は開館)。毎週土日と大型連休期間中の開館日は翁長さんが在廊する。入場無料。

(石井恭子)