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しまっ子に自治会が居場所 うるま平安座 おーきな笑 子育て、ひとり親支援


しまっ子に自治会が居場所 うるま平安座 おーきな笑 子育て、ひとり親支援 子どもの居場所「しまっ子HOME」。おにぎりなどが振る舞われるのも楽しみのひとつ=7日、うるま市の平安座自治会館
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 【うるま】「ただいま!」。うるま市立彩橋小中学校の児童らが放課後、うるま市平安座自治会館に元気な声を上げて駆け込んでくる。一般社団法人おーきな笑(わ)(中村和雅代表)が開所する「しまっ子HOME」で、中村代表らスタッフが児童らを「お帰り」と笑顔で出迎える。

 おーきな笑は「孤立する子どもたち、孤育てを頑張るママ、パパをつくらない」との理念を掲げ2022年、任意団体としてスタートした。翌年6月に法人設立し、今月で1周年を迎えた。理念に自治会が共感し場所を提供した「しまっ子HOME」。活動は毎週月、水、金の3日間、放課後から午後6時まで。企業、団体からの賛助金が運営を支え、さらなる広がりを期待する。

 現在は20人前後の児童が参加する。児童らは会館広場で歓声を上げて遊び回ったり、宿題をしたり、思い思いの時間を過ごす。月に一度はワークショップの体験活動、視察学習など統一テーマに取り組む。活動日にはスタッフが自宅でおにぎりや総菜、スープなどを作って提供し、みんなで食卓を囲む雰囲気を楽しむ。

 同小3年の中村匠さん(8)は「毎日でも参加したい」と声を弾ませ、同3年の塩谷翠咲(みさき)さん(9)も「みんな仲良し。とても楽しい」と笑顔を見せた。

 読書の習慣を身につけるため区民に“休眠絵本”の寄付を呼びかけたところ、200冊余が集まったという。

 ひとり親家庭の支援にも力を入れる。「しまっ子HOMEで過ごす時間に、親が息抜きや趣味などに充てることができる」と中村代表。「困った時に気軽に助けてと言える子育てを共有する仲間づくり、何よりも平安座に住んでみたいと思う人が増える環境づくりで、島の過疎化を防ぎたい。起業、職業支援にも取り組みたい」と決意を込めた。

(岸本健通信員)