【金武】金武町大綱曳(ひき)が19日、金武地区公園で開かれた。町内全5区が東(あがり)と西(いり)に分かれて長さ約80メートル、重さ約5トンの大綱を引き合い、3分21秒で東が勝利した。開催は23年ぶりで、会場は町民をはじめ多数の来場者の熱気に包まれた。
大綱曳の前座である「テービー」では、たいまつを持った人々が「サーサーサーサー」の合図でぶつかり、火の粉を浴びながら頭上でたいまつをたたき合った。旗頭「トゥール」や旗を持った人々がぶつかり合う「ガーエー」も行われた。小学生を対象にしたワレンチャ(子ども)綱曳は、1分46秒で西が勝利した。
東の参加者は、勝利すると万歳三唱やカチャーシーで盛り上がった。東で綱を引いた安富奨(たすく)さん(35)は「相手から引っ張られたときにスイッチが入った。負けるのは嫌だった」と額に汗を浮かべ、笑顔を見せた。
23年前は金武区と並里区が参加する「金武町大綱引き」として開催したが、綱作りの負担などから開催を見送ってきた。昨年の金武区の観月祭で「トゥール」を披露したことなどをきっかけに、町の伝統文化を継承しようと開催に至った。大綱は与那原大綱曳で使用したものを譲り受けた。
仲間一町長は「想像以上の盛り上がりで感激だ」と述べ、今後の開催にも意欲を示した。町大綱曳推進委員会の儀武剛委員長は盛り上がりに安堵(あんど)し「次は町民たちが作った綱で引きたい」と意気込んだ。
(武井悠)