江藤兄弟大一番へ 光喜「世界王者になる」 伸悟「気持ちを前面に」


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試合に向けて熱のこもった練習を行う江藤光喜(左)と伸悟=23日、本部町民体育館(又吉康秀撮影)

 世界ボクシング評議会(WBC)スーパーフライ級2位の江藤光喜(白井・具志堅スポーツ)と、弟でIBFアジアスーパーフェザー級王者の伸悟(同)が本部町内で合宿を行っている。光喜は11月28日に世界王座戦に、伸悟は12月14日にOPBF東洋太平洋王座戦に挑む。ベルトの獲得を目指す2人は合宿で、フィジカル強化に重点を置いてトレーニングを重ねている。光喜は「世界チャンピオンになる」と闘志を燃やし、伸悟は「ベルトを取って2人で帰ってくる」と誓った。

 光喜と対戦するのはメキシコのカルロス・クアドラス。「打ち合いもできるし足も使える。試合運びが上手でパワーのある選手だ」と印象を語る。映像を見ながら相手の癖なども見極めているといい、「無理に打ち合わず自分のボクシングで戦えれば相手は何もできないはず」と自信をのぞかせる。
 9月には長野で、今月上旬には千葉でキャンプをこなして体力面の強化を図った。本部キャンプで体作りを終えると本格的なスパーリングに入る予定で、「(試合の)イメージはできているので、それを研ぎ澄ませたい」。強化してきたスタミナ面にも不安はなく、集中力も高まってきている。「けがをしないように注意しながら体をベストコンディションに持って行く」と力を込めた。
 伸悟は世界戦に挑む兄とトレーニングを重ねることで、「同じモチベーションで追い込めている。自分の中でも納得できる練習ができている」。東洋太平洋王座戦で挑む伊藤雅雪は距離を取りながらカウンターを狙ってくるタイプで、「自分に似ている」と感じている。
 昨年10月の日本王座戦では悔しい敗戦を味わい、「挑戦者の立場なので自分が攻めるべきだった」と深く反省した。今回の試合で目指しているのは、「気持ちをもっと出すこと」。積極的に攻め、相手の動きの先を読みながら戦うことをイメージしている。
 生まれ育った本部町での合宿では地域住民の支援も受け、「応援の気持ちに応えたい」との思いも強い。「これまでやってきたことを無駄にしないためにもチャンピオンになる」と拳を握った。