砂の中のエイ、目も潜る 世界初、保護機能を解明 美ら島財団


この記事を書いた人 志良堂 仁
トンガリサカタザメのエコー調査をする職員(沖縄美ら島財団提供)

 【本部】沖縄美ら島財団(本部町)の研究グループが8日までに、体を海底の砂中に潜ませて生活するエイ類が目を守る仕組みを世界で初めて解明した。研究グループによると、エイ類は自身の目を守るために、独自の眼筋を用いて他の生物よりも深く目を埋没させることができる。

 代表研究者の冨田武照さんは「まぶたがあるのは生物全体を見ると当たり前ではない。目を守る機能が多様であることが分かる」と研究の成果を話した。
 エイ類の多くは海底面で生活しており、目だけを海底面の上に出して体を砂に潜ませている。エイ類の目にはまぶたがないために目を閉じることができず、目を頭部にあるくぼみに埋没させて目を守っている。
 調査はエイの仲間のトンガリサカタザメで解析した。目の動きを超音波診断装置で解析した結果、眼球全体を埋没させることができ、脊椎動物の中で眼球の移動距離が最大であることが分かった。死亡個体を用いて、眼筋の一つ「下斜筋」に電気刺激を加える方法で実験を行った結果、下斜筋が目を埋没させる機能を持つことが明らかになった。
 研究成果は、国際学術雑誌「Zoology」に掲載される。
英文へ→Churashima Foundation discovers eye protective function for rays