いきなり!国際通りで浴衣ダンス 染め織物の魅力知って


この記事を書いた人 志良堂 仁
伝統的な染め織物の帯を着用し、約50人のダンスパフォーマンスでPRする「フラッシュモブ」。道行く人の注目を集めた=8日、那覇市久茂地のパレットくもじ前

 伝統的な染め織物のPRをしようと那覇市のパレットくもじ前広場や国際通りなど5カ所で8日午後、浴衣に紅型や琉球絣(かすり)などの帯を結んだ約50人が、突然踊り出す「フラッシュモブ」と呼ばれるダンスパフォーマンスがあった。パフォーマンスを通して県産の染め織物の魅力をアピールし、日常生活に取り入れてもらうことが目的。音楽に合わせてダンスが始まると、驚いた通行人らで人垣ができ、飛び入りで踊りだす子どももいた。沖縄染織Production(松茂良恵美代表)が企画した。

 松茂良代表の呼び掛けで、紅型と琉球絣のほかに読谷山花織と首里織の40本の帯の提供を受けた。浴衣に帯を着けた男女が、少人数から徐々に踊り手が増えていくパフォーマンスで道行く人の注目を集めた。
 企画した松茂良さん(44)=那覇市=は、県内の染め織物を日常生活に取り入れる活動をしており、今回4つの織物関係の組合と呉服店などに協力を依頼し企画した。「きょうは染め織物の魅力を視覚的に楽しんでもらえた。これをきっかけに実際に身に着けてもらいたい」と話した。
 ダンスは琉舞の大田礼子さんの振り付けで、飛び込みでも参加しやすいように簡単に踊れるよう工夫されており、一部カチャーシーも取り入れた。
 ダンスを披露した今村泉さん(42)=宜野湾市=は「帯を巻いて踊ることは今までなかったが、とても着心地が良く楽しく踊れた」と笑顔で喜んだ。
 国際通り沿いで60年以上タコライスを販売している中田美智子さん(80)=那覇市=は「こんな取り組みは見たことがない。紅型の帯など沖縄のアピールになる。時代とともに浴衣の着方は変わっているが、伝統工芸の良さは変わっていない」と染め織物の良さを再確認した。
 偶然居合わせた女性(69)は「すてきな紹介方法だ」とダンスに見入っていた。22日には県内で染め織られた帯を使ったファッションショーが那覇市のパレットくもじで開かれる。