伊計島不時着米軍ヘリ きょうにもつり上げ移送、撤去


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 【伊計島=うるま】米軍普天間飛行場所属のUH1Yヘリコプターがうるま市与那城の伊計島に不時着した問題で、米軍が8日にも不時着した機体を別のヘリでつり上げ、うるま市勝連の米海軍ホワイトビーチに移送する。7日夕、米軍から沖縄防衛局に連絡があった。米軍機のつり下げ訓練は過去に物資の落下を起こしており、地元側が禁止や自粛を求めてきた。海上を経由するとみられるが、つり上げによる移送が実施されれば、さらなる反発を招く恐れがある。

不時着した機体のプロペラ部分を外す米兵ら=7日午前8時26分ごろ、うるま市伊計島(又吉康秀撮影)

 島袋俊夫うるま市長は7日午前、説明のために市役所を訪れた沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長に抗議した。島袋市長は連続している米軍機の事故、トラブルを念頭に「頻度が高すぎる」と批判した。「その先には重大事故が懸念される」とも指摘。米軍の事故後の対応や安全対策についても不信感をあらわにした。

 中嶋局長と面会した伊計自治会の玉城正則会長は「住宅地に落ちたら大変な被害になる。人命を失えば戻らない」と飛行ルート変更や機体整備の徹底などを強く求めた。漁業にも影響が出ていることから、機体の早期撤去も要望した。

 うるま市与那城の伊計島の砂浜では7日、小雨の中、機体から主回転翼などの取り外し作業が行われた。つり上げ撤去に向けて軽量化を図ったとみられる。取り外しの作業は午後には終了。機体は浜に残されたままで、周辺の規制は続いている。8日の天候次第では、同日中につり上げ移送を行うか、不確定な部分もある。

 沖縄防衛局によると、海兵隊は不時着の理由について「メーンローターの回転速度超過を示す警告表示があったため」と説明した。

 中嶋局長は現場を視察した。米海兵隊基地司令官のポール・J・ロック准将に対して、飛行の安全に努めるよう申し入れたという。

 7日は午前7時ごろから機体周辺での作業が始まった。浜に向かう道に米軍の大型トラックが停車し、ホースなどの資機材を兵員が機体周辺まで運び、機体から取り外した主回転翼などを運び出す作業が続いた。

 正午すぎには、主回転翼が全て取り外された。午後2時すぎ、米軍側から周辺を規制している県警に対して「7日中の機体撤去はない」などとする通知があった。