名護市嘉陽の土砂崩れ、影響広がる 迂回強いられ通勤時間3倍


この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎
土砂崩れ現場で樹木を撤去する作業員ら=6日、名護市嘉陽

 沖縄県名護市嘉陽で2日に発生した土砂崩れで、国道331号が通行止めになった影響が周辺住民に広がっている。迂回(うかい)を強いられ、通勤に3~4倍の時間がかかっている人や、保育所へ通えなくなった子どももいる。6日現在で復旧の見通しが立たない中、台風9号も接近し、被害拡大の懸念も募る。道路を管理する県北部土木事務所は6日から土砂の上にある樹木の除去作業を始めた。担当者は「見通しはまだつかない。現場に近づかず、迂回路の利用に協力をお願いしたい」と呼び掛けている。

 久志地域の学校や公共施設などは瀬嵩や汀間など嘉陽以南にあり、天仁屋や底仁屋の住民は西海岸側への迂回を強いられている。底仁屋の50代女性は、隣の嘉陽のカヌチャリゾートまで通勤している。車で20分弱だった通勤時間が1時間強かかってしまうという。女性は「とても不便だ。早く直してほしい」と切望した。

 子育てにも影響が出始めている。天仁屋から2歳の娘を瀬嵩保育所に通わせている女性(43)は通行止めになって以降、娘を保育所に連れて行けなくなった。車で15分程度で行き来できる距離だが、西海岸への迂回で1時間以上かかるためだ。「対策を考えたい」と語る。台風9号の接近にも「復旧が遅れたり、被害が拡大したりするかもしれない」と懸念した。

 両区は汀間にある名護市立小中一貫教育校・緑風学園の校区になっており、小中学生はスクールバスで学校に通っている。現在は夏休み中だが、部活に参加する生徒のために市教育委員会がバスを走らせている。ルートの変更で対応しているが、学校への到着は通常より10分程度遅れている。8月26日からは二学期が始まる。市教委の担当者は「(スクールバスの)運転手とルートの確認を進めたい」と話した。