挑戦の大切さ伝授 ヤンキース・グランダーソンが野球教室


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少年野球教室で、打撃の際の姿勢などについてアドバイスするカーティス・グランダーソン=11日、浦添市屋内運動場(金良孝矢撮影)

 米メジャーリーグ(MLB)ニューヨーク・ヤンキース(NY)の外野手として、2011年のアメリカンリーグ打点王に輝いたカーティス・グランダーソンが11日、那覇市の興南高校で講演、「失敗が怖くなることもあるが、練習して準備してきた、と思うことで乗り越えることができる」などと語り、本番で力を発揮するために準備することの大切さを説いた。

 浦添市屋内運動場で野球教室も行い、同市内の硬式少年野球3チーム30人を対象に、トス打撃や外野へ飛んだ打球の追い方など守備の基礎を指導した。
 グランダーソンは、11年に41本塁打、119打点を記録してア・リーグ打点王に輝いた強打の外野手。今季は43本塁打、106打点を挙げ3度目のオールスターゲームに出場した。
 興南高校での講演は質疑を交えて行われた。生徒は積極的に手を挙げて壇上に上がり、英語でグランダーソンに質問。1点を追う9回裏2アウト2ストライク3ボールの時に、打席に立つ気持ちを問われ、「この一瞬で活躍するためにやってきたという気持ちを持ちつつ、バッターボックスから離れて深呼吸すること。自分の方が打てるという自信を持って立つことが大事」と説明した。
 好きな言葉は「自信と信頼」と答え、「歩んできた道を信じるという意味で、漢字の『信』と書かれたペンダントを付けている」と紹介。プロ入団後も学業を続け、マイナーリーグ在籍中にイリノイ大学で経営学士号を取得したことにも触れ、学ぶことの大切さや挑戦する心の重要性を説いた。
 野球部の宮城洸君(2年)は「6歳から31歳の今まで、同じ気持ちで野球をしていると話していたことが印象的。9回裏2アウト2ストライク3ボールの時は、自分のやってきた練習を信じ、自信を持って打席に立ちたい」と刺激を受けた様子だった。
 野球教室で、浦添ボーイズの上里航平君=嘉数中2年=は「打撃で軸足に体重をしっかり残して振るように言われた。やってみたらスイングしやすかった」と笑顔を見せた。
 グランダーソンはMLBの国際親善大使として来日。被災地で少年野球教室などを行い、沖縄へは在沖米国総領事館の招待で訪れた。