暗闇で命のドラマ アカウミガメ 2匹同時産卵


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産卵のシーズンを迎え、100個以上の卵を産んだアカウミガメ=4日未明、糸満市

 【糸満】ウミガメの産卵シーズンを迎えた中、4日未明、糸満市の海岸で2匹のアカウミガメが産卵をした。2匹のウミガメが同じ砂浜で同じ時間帯に産卵するのは、年に一度あるかないかというほど珍しいという。

それぞれ、午前2時~3時半にかけて海岸に上陸。波の音が響き渡る暗闇の中、大きさ約4センチのピンポン玉のような卵を計262個産み落とし、明け方近くの海へ帰って行った。卵は2カ月後にふ化する。
 この海岸で長年、ウミガメの産卵を保護する活動をしている小林茂夫さん(71)によると、この日訪れた2匹のうち、1匹はこの海岸で初めて産卵、2匹目は2011年5月に一度産卵しているという。甲羅の長さは、それぞれ約90センチ。1時間ほどかけて産卵をした。
 アカウミガメの産卵シーズンは4~6月。小林さんは「個体によって癖があり、2匹とも予定日より若干ずれたことで、たまたま産卵時期が合致した」と説明した。