オスプレイ追加強行 普天間に2機 あすにも残り10機


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 米軍普天間飛行場への追加配備に向け、山口県の岩国基地に一時駐機されていた垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ12機のうち、2機が3日午後4時半すぎに普天間飛行場に相次いで到着した。1機目のパイロットは報道陣に対し、プロペラを前向きにした固定翼機モードから、上向きにした垂直離着陸(ヘリ)モードに転換を始めたのは「3、4マイル(4・8~6・4キロ)ぐらい前」と説明。昨年9月の日米合意では、転換モードでの飛行時間をできる限り短くするとしていたが、民間地上空でヘリモードへの転換を始めていたことを明らかにした。

 海兵隊は当初3日に4機が移動すると説明していたが、2機だけが飛来。残りの10機は5日以降に普天間に移動し、追加配備が完了する。昨年10月に配備された12機と合わせて普天間のオスプレイは24機態勢となり、県内での運用がさらに拡大することになる。
 政府に配備撤回を強く求めてきた仲井真弘多知事は同日、「誠に遺憾だ」とする談話を発表。普天間飛行場を抱える宜野湾市の佐喜真淳市長は「市民が一番負担を強いられ犠牲になっている」と反発を強めた。安全性などへの懸念から県内世論が強く反対している中での追加配備の強行で、日米両政府への反発がさらに強まりそうだ。
 オスプレイ2機は3日午後2時25分すぎから岩国基地を次々と離陸。最初の1機が午後4時34分ごろ、2機目が同40分ごろ普天間飛行場に着陸した。2機は飛行場東側の中城村内に設定されている二つの進入経路のうち、北側の「キロ・ポイント」の方向から飛来した。
 海兵隊は当初、3日午前に4機、5日に8機移動すると日本側に通知していたが、3日の飛来は2機にとどまった。理由について在沖米海兵隊報道部は「機体は問題ないが、来るまでに解決しなければいけない課題が多かった」と説明。詳細は明らかにしていない。

駐機していた米軍岩国基地から、追加配備のため普天間飛行場に向かうオスプレイ=3日午後4時34分、宜野湾市で共同通信社ヘリから
オスプレイの進入飛行経路 地図