知事、普天間固定化は「堕落」 政府姿勢を批判


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仲井真弘多知事の定例記者会見(上)

 仲井真弘多知事は1日の定例記者会見で、米軍普天間飛行場の移設先とされる名護市辺野古沿岸部の埋め立てを知事が承認しなければ、普天間が固定化するとの考えが政府内にあることについて「固定化という発想、言葉が出てくるのは一種の堕落だ」と強く批判した。県外移設を求めている知事として、辺野古移設か固定化の二者択一を迫る政府の姿勢をけん制した形だ。

 知事は、住宅密集地の中にある同飛行場について「同盟国の機材が落ちてくる。場合によっては惨事になりかねない」と危険性を指摘。「(役人が)固定化と軽々言うのは自分が無能だと表現することだ。重要なポストに置くべきではない」と厳しく指摘した。
 来年1月の名護市長選への出馬を表明した自民党県議の末松文信氏が「辺野古も選択肢」と述べたことについては、かつての保守市政が条件付きで移設を容認していたことに触れ「名護市出身の政治家としての考え方、信念としては理解できる」と述べた。
 自身の県外移設公約などとの整合性に関しては「もう少し末松氏の公約を読み意見交換しないと言いにくい。私は断然ノー、イエスという答弁はしていない。基本的に辺野古という人と百パーセント違うという指摘は当たらない」と説明。その上で「(移設の)実現可能性は非常に小さくなっている」とも述べた。
 埋め立ての可否判断が名護市長選の前か後かについては「事務処理が終わり、考えがまとまるなら早い方がいいという感じもするがまだ決めていない」と述べるにとどめた。

●11月1日の仲井真知事会見 動画後半

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