法廷でオスプレイ映像 辺野古アセス控訴審弁論


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 米軍普天間飛行場代替施設建設に伴うキャンプ・シュワブ沿岸部での環境影響評価(アセスメント)手続きに不備があるとして、周辺住民ら296人がアセスの方法書、準備書のやり直し義務の確認と損害賠償を求めた訴訟の控訴審第1回口頭弁論が5日、福岡高裁那覇支部(今泉秀和裁判長)で開かれた。住民側はアセスに意見を述べることを「法的に保護された利益だ」と主張した。国側は棄却を求めた。

 弁論では安次富浩原告団長が、意見提出制度がない評価書の段階で米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備が明らかにされたことを指摘。「今回の環境アセス手続きは、あまりにも恣(し)意(い)的で科学的根拠に欠けている」と批判した。
 法廷では、証拠として琉球大工学部の渡嘉敷健准教授が昨年10月に名護市辺野古の国立沖縄工業高等専門学校の屋上と駐車場から撮影した、キャンプシュワブ内の着陸帯「フェニックス」に飛来するオスプレイの映像が提出された。低周波音を再現できるスピーカーを用い、屋内で聞こえる音を想定して音量を絞って上映された。
*動画=2012年10月12日、名護市の国立沖縄工業高等専門学校(琉球大工学部の渡嘉敷健准教授提供)