ケネディ大使に辺野古断念を要求 名護市長が会談


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(左)ケネディ駐日米大使との会談について、質問に答える稲嶺進市長=12日午後6時35分ごろ、那覇市のザ・ナハテラス (右)レセプションであいさつするケネディ駐日米大使=12日午後5時40分ごろ、那覇市のザ・ナハテラス

 沖縄訪問中のキャロライン・ケネディ駐日米大使は12日午後、米軍普天間飛行場の移設先とされる名護市の稲嶺進市長と那覇市内のホテルで会談した。会談で稲嶺市長は「辺野古を埋め立てる新しい基地を造ってほしくない」と述べ、同飛行場の名護市辺野古移設の断念を要求。ケネディ氏は明確な回答を避けた上で、「今回は限られた部分しか見ることができないが何度か足を運びしっかり見たい」と述べた。

稲嶺氏がオバマ米大統領に伝えるよう求めたのに対しては「よく分かった」と応じたという。
 稲嶺氏は1月の名護市長選で移設阻止を掲げた自身が再選されたことに触れ、「選挙結果が(市民の)反対の意思を示している」と訴えた。稲嶺氏によると、ケネディ氏から辺野古移設への協力を求めるような発言はなかった。
 会談は公式日程にはなく、米側から12日に申し出があり実現した。12日夕、那覇市内のホテルであった米側主催レセプションの前に個別に行われた。
 稲嶺氏は、絶滅危惧種のジュゴンやサンゴなどが生息する辺野古海域周辺の豊かな自然環境や新たな基地の規模を説明。市内の米軍基地の状況を説明した英語版の冊子を手渡した。ケネディ氏からジュゴンなど個別の言及はなかった。
 稲嶺氏は会談後、記者団に「(ジュゴンやサンゴについて)非常に関心を持って聞いてもらった。大使の辺野古視察前に話ができて良かった」と述べた。
 ケネディ氏は13日、普天間飛行場と辺野古の米軍キャンプ・シュワブを視察する予定。辺野古はヘリで上空から視察する方向だが天候次第で陸上からの視察になる可能性もあるという。
 11日夜に来県したケネディ氏は12日、仲井真弘多知事と県庁で会談し、基地負担軽減に努力する考えを表明。これに先立ち糸満市の平和祈念公園を訪問し「平和をつくる仕事を推し進めるためにできる限り尽くすことを誓いたい」とコメントした。首里城も視察し、那覇市の首里高校の生徒と交流した。
英文へ→Nago Mayor asks US Ambassador Kennedy to cancel relocation of Futenma base to Henoko