承認「取り消すべきだ」 百条委、名護市長が批判


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 県議会は24日、仲井真弘多知事による米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた埋め立て承認を検証する調査特別委員会(百条委員会)の集中審議最終日となる参考人質疑を行った。稲嶺進名護市長が出席し、知事の埋め立て承認に対し「県民の民意を反映していない。取り消すべきだ」と述べた。

 環境影響評価(アセスメント)を担当した県環境影響評価審査会の宮城邦治会長も参考人として招致され、政府の埋め立て申請内容を県が「適合」と判断したことについて「若干、違和感がある」と語った上で、移設工事に関し「自然環境保全は不可能」との見解を示した。
 稲嶺氏は審査手続きの一環で11月下旬に提出した名護市長意見は、知事の承認判断に「全く反映されていない」と主張した。知事が普天間飛行場の5年以内の運用停止を求めていることに「承認判断と矛盾する。5年で閉鎖できるなら辺野古はいらない」と批判した。
 市長意見の提出後に沖縄防衛局が県土木建築部に示した環境保全策に関しては「(説明は)一切ない」と述べた。仲井真知事に対し「議論すべきことはしっかりしないといけない」と訴え、移設問題での意見交換を求めた。
 宮城氏は、県が承認に当たって政府に対し、環境保全策や事後調査の検討を求めたことには「米軍が事後調査などに協力的だったことは多くない」と述べ、実効性に疑問を呈した。
 政府の埋め立て計画に対して県が「現段階で取り得る環境保全措置が講じられている」と判断したことには「措置の具体的な中身を県民に説明する必要があった」と指摘した。
 野党側が21日に求めた菅義偉官房長官や又吉進知事公室長の百条委招致については結論が出ず、継続審議になった。
→県議会百条委 録画等

百条委の参考人招致で意見を述べる稲嶺進名護市長=24日午後、県議会
百条委の参考人招致で意見を述べる県環境影響評価審査会の宮城邦治会長=24日午前、県議会