医者半分 ユタ半分
目に見えない力実感
浦添市立森の子児童センターで厚生員として働く桃原弘子さん(48)が、自らの経験を踏まえて大切にしている黄金言葉は「医者半分 ユタ半分」です。
次男が生まれたばかりのころ、発熱やけいれんを起こし、入退院を繰り返していました。医師が診断で原因を特定できない中、心配した実母や義母は「御願不足」「マブイ込(ぐ)みをしなさい」と勧めます。当初は「医者の診断も下っていないのに」と拒否反応を示したと言います。
しかし、心配な日々を過ごす中で「やれることはやろう」と発想を転換し、ヒヌカン(火の神)に手を合わせることから始めました。医学の助けもあり、次男の症状も徐々に落ち着きました。
この経験から「沖縄の人が大切にする目に見えない力を実感した」と桃原さん。先達を敬う心や、受け継がれてきた伝統の重みをあらためて知りました。
一つにすがるのではなくいろいろな角度から柔軟に判断するとの黄金言葉に隠されたもう一つの意味を感じ、大切にしています。(当銘祥子)
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