政府強権に抗議 きょう5・15県民大会


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基地撤去などを訴えるシュプレヒコールを言いながら行進する西コースの参加者ら=17日午後、北谷町の謝苅交差点近く

 第37回5・15平和行進(同実行委員会、沖縄平和運動センター主催、フォーラム平和・人権・環境協力)2日目が17日、各地で行われた。東、西、南の3コースの参加者は米軍基地が集中する本島中部、沖縄戦の激戦地となった南部を歩いた。

最終日の18日は午前9時、宜野湾市役所で合同出発式を開き、米海兵隊普天間飛行場の即時閉鎖を訴えて飛行場を包囲しながら歩く。午後2時から宜野湾市の宜野湾海浜公園屋外劇場で「平和とくらしを守る県民大会」を開き、辺野古新基地建設や集団的自衛権行使容認へ抗議の声を上げる。

■東コース
 うるま市昆布の天願桟橋から、嘉手納基地を見渡せる「安保の見える丘」を目指す約16キロの東コースには560人が参加。時折米軍機が頭上を飛ぶ中、参加者は「基地の県内移設に反対しよう」「戦争放棄の9条を守ろう」などとシュプレヒコールを上げながら歩いた。
 米須朝栄さん(66)=うるま市=は平和行進に毎年参加してきた。「辺野古への基地建設強行や集団的自衛権の行使など、今の政府のやり方に憤りを感じる。基地のない平和な沖縄になるように祈りながら歩きたい」と話した。

■西コース
 沖縄市役所前から出発した参加者約560人は、嘉手納基地やキャンプ瑞慶覧前などを経由し、北中城村役場までの約14キロを歩いた。休日ということもあり、子連れの参加者が多かった。
 嘉手納高校で教員をしている沖縄市の長嶺卓弥さん(33)は、2人の子どもと一緒に行進した。集団的自衛権の問題に触れ、「このままでは戦争が起こってしまうかもしれない。2人の子どものためにも大切な平和を残したい」と話した。

■南コース
 糸満市の平和祈念公園内にある平和の火前を午前9時半に出発した南コースの参加者520人は、八重瀬町、南城市を通り、南風原町役場に到着した。激戦地となった沖縄戦当時に思いをはせながら、「危険な普天間基地を返還せよ」「ノーオスプレイ」などと声を上げ、18・3キロの道のりを歩いた。
 福岡県出身の山口純さん(40)=那覇市=は、息子の蓮君(9)、仁君(7)と親子3人で初めて行進に参加した。山口さんは「基地があると生活に不便を感じる。沖縄に住んでいるからには、子どもたちにも恒久平和の大切さを肌で感じてほしい」と話した。